開催日時:2021年11月22日(月)9:30~15:40
形式:オンライン(Zoom)
フォスタリングチェンジ・ジャパンは、フォスタリングチェンジ・プログラム(FCP)ファシリテーターのスキルの向上とクオリティの維持を目的とし、定期的にフォローアップ・ミーティングを開催しております。
2021年度3回目となる今回のフォローアップ・ミーティングには、第2回養成講座受講者から第9回養成講座受講者まで12名のファシリテーターが参加され、5県(山梨、岩手、千葉、栃木、福井)の9機関から報告が行われました。今回のフォローアップミーティングでは、1県のチームが実践報告を行われ、その他4県のチームは本年度FCP未実施のため状況報告を行っていただきました。
各機関からの報告・相談を踏まえ、様々な意見交換がされましたが、特に関心が高く議論された、以下3点について、簡単にまとめました。
- オンライン実施と対面実施について
- コロナ禍でのオンライン実施の必要性に関する声があがり、同時に、すでにオンライン開催をしているファシリテーター養成講座やフォローアップミーティングのオンライン版と対面版の違いについて意見が交わされた。
- フォローアップミーティングは、オンライン実施でもデメリットはほぼ見受けられていない。一方、養成講座に関しては、受講者の満足度には差異はないものの、トレーナーとしては、対面の方が、グループワークへのフォローがしやすい、理解に齟齬があった時に気づき修正しやすい、技術的なものに気を取られなくてよい、などの面があることが共有された。
- また、FCPにおいて重要な「グループの醸成」には、対面ならではの空気感が重要であることもアドバイザーから共有された。同様に、オンラインでの養成講座受講者が、FCPを実際に見学に行った際に、対面ならではの雰囲気を感じることができたと感想を述べられた。
- オンラインと対面、それぞれの良さがあるため、今後、それぞれの良さを活かしながらハイブリッドでの実施を検討していくことの重要性が改めて示唆された。
- FCP参加の里親さんの募集について
- 前回同様、参加者の募集・確保についての悩みの共有がされた。
- 5回目の実践を行った県の事例共有を踏まえ、以下のような意見交換・助言がされた。
- 同県では、新しく里親になった方に焦点を置いて、お声がけをされていた。FCPを繰り返し実践したことで、県内の多数の里親さんがFCP受講した状況になってきたことにより、自然に受講する流れが出来ているのではないか。
- FCP募集時期に突然声をかけるのではなく、里親専門相談員の日頃の活動で、里親さんとの関係性を醸成する中で、FCPの紹介も行い、一定程度の理解を持ってもらった上で、募集時にお声がけをしていく、というのが、今後効果を出していくのではないか
- FCP参加の募集においてできることとして、以下が助言された。
1. 興味関心を持ってもらう(講演など)、2. 困りごとを共有する(寄り添う)、3. 個別化、4. 当然の雰囲気(特に新規の方:認定研修のときなどに、組み込んでいく)、5. 口コミ(サロンなどでの体験談・他県の体験談)、6. 児相等との協力(推薦等)
- これからFCPを実践していく機関・ファシリテーターの準備について
- これから初めてFCP実施予定の機関・ファシリテーターから、その状況の報告と共に、どのような準備が必要かという質問がなされた。
- アドバイザー・トレーナーからは、以下のような助言がされた。
- 実践前にできることとしては、1. 学びを深める(学習会など)2. 関係者に伝える、3. 関係性を築く(困り悩みを聞く)、4. 人を呼ぶ、5. 経験を積む(体験会の実施)6. 周知する(お便り、広報誌、サロン)、などがある
- テキストの読み込みは重要。セッションの準備をしていて不明点が出てきたら、まずはテキストを読み返して学ぶ。さらなる疑問点は、実践しているファシリテーターや事務局に問い合わせていただきたい。
実践報告から学びたいという参加者のご希望が大きかった一方で、コロナ禍で実践機関数が少ないこともあり、今回も実践報告は1件にとどまりました。しかし、その実践機関からの報告はもちろん、過去に実践した経験や、未実施の機関の準備の状況からも多くの学び合いができ、有意義なフォローアップミーティングとなりました。
参加された皆さんから、事後アンケートでいただいたコメントを、一部ご紹介いたします。
- 実践されている機関の情報を聞くことができ、今後開催に向けてのヒントを沢山頂きました。
- とても温かい気持ちになります。そして、決して芳しい現状ではない今でも、「よし!やっぱりがんばろう!」という気持ちにさせていただけます。
- 実践されている方や準備中の方々のお話を伺うと、FCPの実践のイメージが、さらに出来上がってくるので、とてもありがたいです。
- 皆さん、FCPのためにとても熱心に取り組んでおられる姿から力がもらえました。